「保護犬を迎えたいけれど、どのくらい費用がかかるの?」と不安に感じる人は多いでしょう。
実は、譲渡費用だけでなく、医療費や生活用品なども準備が必要です。
この記事では、初めてでも安心して保護犬を迎えられる3つの準備ポイントをわかりやすく解説します。
保護犬を迎えるときに必要な費用で変わる3つの準備ポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 譲渡費用の相場と内訳を知る
- 初期費用・日用品など“思ったよりかかる部分”を把握する
- 医療費や避妊手術費を負担する意味を理解する
保護犬を迎える際には、思っていた以上の出費がかかることもあります。
費用を事前に把握しておくことで、安心して新しい家族を迎え入れられます。
ここでは、必要な費用の内訳と準備のポイントを整理します。
譲渡費用の相場と内訳を知る
譲渡費用は一般的に無料〜数万円が目安です。
これは犬の販売価格ではなく、保護活動にかかった実費を一部負担する形です。
主な内訳には以下が含まれます。
- ワクチン接種、フィラリア検査、マイクロチップ登録料
- 避妊・去勢手術費
- 保護期間中のフード代や生活用品代
- 必要な医療処置や治療費
団体によって金額が異なるのは、医療体制やサポート内容が違うためです。
譲渡費用を支払うことは、命を守る活動を支えることにつながります。
記載している費用はあくまでも参考例です。
ワクチン・フィラリア・マイクロチップ・避妊去勢手術などは多くの場合譲渡費用に含まれますが、保護犬の医療状態や団体の方針により実費で数万円〜十数万円追加になることもあります。
実際の金額は各団体に直接お問い合わせください。
初期費用・日用品など“思ったよりかかる部分”を把握する
譲渡費用とは別に、生活用品などの初期費用として5〜10万円前後が必要です。
犬が安心して過ごすための環境づくりに使われます。
| 項目 | 内容 | 目安費用 |
| ケージ・サークル | 留守番・就寝用 | 約10,000〜20,000円 |
| ベッド・ブランケット | くつろげる居場所 | 約3,000〜5,000円 |
| 首輪・リード・ハーネス | 散歩用 | 約3,000〜6,000円 |
| 食器・給水器 | フード・水用 | 約2,000〜3,000円 |
| トイレ用品 | シート・トレーなど | 約3,000〜5,000円 |
| フード・おやつ初期分 | 約1ヶ月分 | 約5,000〜8,000円 |
| お手入れグッズ | ブラシ・シャンプー等 | 約3,000〜5,000円 |
合計は約30,000〜50,000円が目安です。
防音マットや冷暖房器具など、住環境に応じて追加費用がかかる場合もあります。
すべてを一度にそろえるより、犬の性格や生活に合わせて、必要なものを揃えていくと無駄がありません。
医療費や避妊手術費を負担する意味を理解する
保護犬を迎える際の医療費は1〜5万円程度が一般的です。
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
| ワクチン接種 | 感染症予防 | 約5,000〜10,000円 |
| フィラリア検査・予防薬 | 命に関わる感染症対策 | 約3,000〜5,000円 |
| ノミ・ダニ予防 | 月1回の外用薬など | 約1,000〜2,000円/月 |
| 避妊・去勢手術 | 病気・繁殖防止 | 約15,000〜30,000円 |
| 健康診断・血液検査 | 体調確認 | 約5,000〜10,000円 |
これらは単なる費用ではなく、犬の健康と命を守るための「準備費」です。
避妊・去勢手術は病気を防ぐだけでなく、望まない繁殖を防ぐ重要な処置です。
医療費は、わんちゃんによって金額が大きく異なります。
うちのcoco(マルプー)は、生まれつき心臓に病気があったため、譲渡の際、一部の手術費用を負担しました。
なぜ譲渡費用が必要なのかを知ることで、支援の仕組みが見えてくる
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 保護犬の医療・飼育・施設運営にかかる実際のコスト
- 「保護犬ビジネス」との違いを見極めるポイント
- 譲渡費用が“命をつなぐ活動資金”になっている事実
譲渡費用は「犬を買うお金」ではなく、保護活動を続けるための資金です。
どんな費用が含まれているのかを知ることで、譲渡費用の意味が見えてきます。
保護犬の医療・飼育・施設運営にかかる実際のコスト
保護団体は、犬を保護してから新しい飼い主に譲渡するまでに1頭あたり5〜10万円以上の費用を負担しています。
| 費用項目 | 内容 | 目安 |
| 医療費 | 治療・検査・手術など | 約20,000〜50,000円 |
| 飼育費 | フード・トイレ用品など | 約5,000〜10,000円/月 |
| 一時預かり費 | ボランティア宅・ペットホテル費 | 約10,000〜20,000円 |
| 施設維持費 | 家賃・光熱費・清掃等 | 約10,000円〜/頭換算 |
| 運営費 | スタッフ・搬送・イベント運営 | 数千〜数万円 |
これらは「命を守るための必要経費」です。
適正な費用を提示している団体ほど、医療・衛生面が整い、犬たちの生活環境も良好であると考えられます。
「保護犬ビジネス」との違いを見極めるポイント
「保護犬ビジネス」とは、保護活動を装い営利目的で犬を扱うケースです。
高額な費用を請求する団体が悪質とは限りませんが、情報公開の有無が見極めの鍵です。
信頼できる団体の特徴:
- 費用の使途や医療記録を明確に説明してくれる
- 面談やトライアル期間を設けている
- SNSや公式サイトで活動報告をしている
費用の説明が曖昧な団体や、譲渡を急かす対応には注意が必要です。
とはいえ、高額な団体=必ずしも不正ではなく、医療・滞在費等が反映されているだけの場合も多いので、費用の根拠や使途の説明を求め、透明性の有無で判断が大切です。
譲渡費用が“命をつなぐ活動資金”になっている事実
譲渡費用は、次の命を救うための活動資金です。
保護された犬の医療費や飼育費は、主に寄付と譲渡費用で支えられています。
私のもとにいる元保護犬のcoco(マルプー)とnuts(和犬ミックス)も、保護団体を通じて出会いました。
彼らを通じて実感したのは、「譲渡費用が次の命を守る力になる」ということです。
たとえばドッグレスキューアネラやおーあみ避難所などでは、譲渡費用を新たな医療・食費・手術費に再投資し、支援の循環を生み出しています。
あなたの支払いが、次の命のバトンをつなぎます。
保護犬を迎えることは、命を救うと同時に、保護活動を支える社会的行動です。
費用が心配でも諦めないための2つの選択肢
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 譲渡費用を抑える方法(自治体・譲渡会・支援制度)
- 迎えるのが難しい場合は「寄付・ボランティア」で関わる方法
費用面の不安があっても、工夫次第で保護活動に関われます。
譲渡費用を抑える方法(自治体・譲渡会・支援制度)
| 方法 | 内容 | 費用の目安 |
| 自治体(保健所・動物愛護センター) | 行政が保護した犬を無償・低額で譲渡 | 無料〜数千円 |
| 譲渡会イベント | 医療費実費のみ負担 | 約5,000〜20,000円 |
| 支援団体の助成制度 | 避妊・ワクチン費を補助 | 数千円〜1万円 |
| 一時預かり制度 | トライアル飼育で体験可能 | 生活用品のみ自己負担 |
地域によっては、譲渡費用の補助制度もあります。
まずは自治体や動物愛護センターのサイトを確認しましょう。
迎えるのが難しい場合は「寄付・ボランティア」で関わる方法
| 支援方法 | 内容 | 特徴 |
| 寄付 | 団体の医療費・飼育費を支援 | 500円からでも可能 |
| 物資支援 | フード・タオルなどを送る | 未使用品でもOK |
| ボランティア | 散歩・清掃・SNS発信など | 時間やスキルを活かせる |
さらに、保護犬支援アパレル「& coconuts」の商品を購入することも支援の一つです。
売上の一部は保護活動に寄付されており、
あなたの購入したTシャツが、ワンちゃんの未来をつくるかもしれません。
保護犬を迎える以外にも、日常の中で支援を続ける方法はたくさんあります。
保護犬を迎える前に考えたい3つのこと
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 飼育環境を整える(住まい・生活リズム)
- 長期的に支えられる経済的準備
- 「命を迎える覚悟」を持つということ
飼育環境を整える(住まい・生活リズム)
保護犬が安心して暮らせるよう、静かで安全な環境を用意しましょう。
脱走防止・滑り止め対策を行い、家族全員で生活ルールを統一します。
迎えることがゴールではなく、「安心して暮らせる家をつくること」がスタートです。
長期的に支えられる経済的準備
| 項目 | 内容 | 年間費用 |
| フード・おやつ | 食事・栄養管理 | 約50,000〜100,000円 |
| 医療費 | 健康診断・治療 | 約30,000〜80,000円 |
| 保険 | 万が一の備え | 約30,000〜50,000円 |
| トリミング | 犬種により異なる | 約20,000〜80,000円 |
| 雑費 | 日用品・おもちゃ等 | 約10,000〜30,000円 |
年間10〜30万円を目安に、無理のない範囲で支えられる体制を整えましょう。
健康な若齢犬なら10万~20万円前後(小型犬)、高齢・持病ありの場合は30万~50万円超になることもあります。月額1~3万円前後とお考えいただくと良いかと思います。
「命を迎える覚悟」を持つということ
保護犬を迎えることは、一生を共にする覚悟です。
病気・老化・しつけなど、現実的な課題にも向き合う必要があります。
保護犬になった背景は、犬によって様々です。中には、人間から虐待を受けて、トラウマを抱えている子たちもいます。 最初は心を開かない子もいますが、焦らず時間をかけて信頼を築くことが大切です。
まとめ — 費用を知ることは“命を守る第一歩”
譲渡費用は「高い」ではなく「未来への投資」
譲渡費用は、保護団体が活動を続け、次の命を救うための資金です。
自分にできる形で保護犬支援に関わろう
保護犬を迎える・寄付する・情報を広める・グッズを購入する——どんな形でも支援は可能です。
まとめポイント
- 譲渡費用は活動継続のための大切な資金
- 初期・医療・生活費を把握することで安心できる
- 経済的準備をしてから迎えることが重要
- 支援の形は「迎える」以外にも多様
- あなたの行動が命を守る力になる
保護犬を迎えることは、命をつなぐ選択です。
まずは、知ることから始めていきましょう。&coconutsでは、実際の元保護犬がうちに来た体験談を発信しております。ぜひ他の記事も見ていただけたら嬉しいです。